今回、当社の技術者がイタリア・ミラノへ出張し、購入を検討している中古工作機械の視察を行いました。その様子をお届けいたします。
設備投資で技術力強化
堀口エンジニアリングでは、より高品質なものづくりのために、新しい技術や生産設備への積極的な投資を進めています。
その一環として、今回は海外にある中古汎用クランクシャフト研削盤の実機確認を実施しました。
この研削盤は日本では現在製造されていません。
今回イタリアに中古機を見つけましたが、中古品とはいえ高価かつ大きな機械で、輸送にも多くの費用と時間が掛かり、さらにその設置にあたっては高い精度が求められるもののため、日本に持ってきて確認、と言うわけにはいきません。
そのため、その場で判断できるスキルを持った社員が現地に飛んで確認することにしました。
現地工場で機械をチェック
当社でも同型機を使用している経験から、機械チェックで見るべき点は解っていました。
今回の現品も50年という長い年月稼動していたものですから、丁寧なチェックが必要です。
まず確認したのは各摺動部でした。見た目は綺麗でも固着していて動作しなかったり、過去に過積載による負荷がかかって傷がついていたりと、機械によって様々なコンディションのモノがあり、要チェックの部分です。
設備の状態や組付け精度を細かくチェックし、さらに実際に稼働させて、目視で確認できない部分は動作音や振動で判断します。
また、ダイヤルゲージを持ち込んで機械のたわみもチェックしました。
機械の確認は、こうした現在の状態のチェックだけでは終わりません。
日々の稼働履歴や整備履歴も確認し、この機械が愛着を持って使用されてきたかどうかを感じ取ることも、機械を扱う技術者として重要なチェック項目です。
このように、事前に入手したカタログや写真だけでは分からない“機械の生のコンディション”を、豊富な経験に基づく五感で見極めました。
チェックの結果、機械の状態は良好だったものの、大型のクランクシャフトを高精度で製造している当社で、これをそのまま導入するには様々な改善が必要であることがわかりました。
先方からの情報と写真だけで判断しそのまま輸入していれば、設置後に多額の追加費用が発生するところで、これは現地で現物を見なければわからなかったことであり、今回これを判断できる能力を持つ社員が直接確認することで、当社のリスクを回避することができました。
こうしたチェックの結果設備購入は断念せざるを得ないと判断しました。
本件そのものは残念な結果に終わりましたが、今回得られた情報は当社の今後の設備計画に反映し活用していくこととしました。
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また、こうした海外出張では、海外メーカーや現地担当者とのやり取りは当然英語が中心になります。
技術者として自分の言葉で質問や交渉を行う場面も多く、まさに「技術と語学の両方を使う現場」に踏み込んだ出張となり、これも今後の社内業務の様々な局面で役に立つ経験となりました。
ここでちょっと出張エピソード

- 出発は深夜、ミラノと日本の時差は約8時間、フライトは15時間。
- 搭乗ゲートからは製造実績が1,000本を超える当社製トーバーを目撃。
- クランクシャフト研削盤の視察を終え、出張最終日はミラノ散策に時間が持てました。
まず向かったのはミラノ大聖堂。
何百年も前の石工が「精度」を信じて刻んだ線が、今もそこに残っていました。
素材は違えど、精度と品質を追い求める心は時代も国も越えて通じるのだと感じました。 
お楽しみの食事では、ピザやポルチーニ茸のチーズパスタといったイタリアらしいものに加え、日本のラーメンを提供するお店も発見。 

まとめ

今回の出張で確認した研削盤そのものは、そのまま当社の成田工場に導入するには難があることが判明しました。
結果的には実機購入を決断するには少々ハードルが高く、出張としては成果半分、と言ったものになりましたが、イタリアの高精度研削盤に宿る“人の手の記憶”に触れられたことは、大きな収穫です。
ヨーロッパの職人たちは、こうした高い技術を文化の一部として守り続けており、彼らにとって精度とは、数値ではなく職人の誇りの証でもあるのかもしれません。
それは私たちが日々追い求めている品質向上への姿勢にも通じています。
今後も当社は、確かな技術力を支える適切な設備投資を積極的に推進し、イタリアの職人に負けないよう、より高精度・高品質なモノづくりを追求していきます。
当社では、事業の拡大に伴って海外メーカーとの取引や現地調査が増える中、英語を活かして技術の最前線で活躍できる人材を求めています。
世界を舞台に、技術力をグローバルに活かしたい方——
堀口エンジニアリングで、その第一歩を踏み出してみませんか。